社会事象

「白衣」の話

「白衣」の話

 大阪人が「縦じま」という言葉を聞けば、反射的に虎のユニフォーム、我らが阪神タイガースの選手たちの雄姿を思い浮かべるに違いない。走・攻・守の激しい動きにもフィットし、外的な力や熱から身を守り、発汗機能を妨げない高い機能性と、仲間を瞬時に識別し、チームの意識をひとつにする視認性。トラキチにとっても、カッコ良く、頼もしく、憧れさえ感じさせるデザイン性。ユニフォームには、縦じまに限らず、ユニフォームとしての様々な効用が隠されているようだ。

 一方、自分たちのユニフォームはというと、白衣ということになるのだが、それなりに時代時代で様変わりしてきた。いまでもそのほとんどは人医療従事者用の白衣を使用していて、動物医療専用白衣などというものはない。

 大学生の頃の白衣といえば、いわゆるドクター白衣といわれる前3つボタンの白衣で、小動物の実習であろうが、大動物の実習であろうが、何でもそれ一つにゴム長というのが定番だった。今でも人の内科医はキリッとネクタイを締めて下の絵のような感じが多いのかもしれない。



自分が動物病院を開業するころ(30年ほど前)には、多くの開業獣医師がケーシー型と呼ばれる白衣を着用するようになった。これは医療もの全米テレビドラマ「ベン・ケーシー」で主人公の青年医師ベン・ケーシー(ヴィンセント・エドワーズ)が着ていた白衣をベン・ケーシー型白衣というようになったことに由来する。コメディアンのケーシー高峰が着用したことでも有名。



 南大阪動物医療センターも開院以来30年、獣医師はこのケーシー型白衣、動物看護師は定番のナースウェアという出で立ちで診療している。

 この出で立ち、定番中の定番で、飼主の方々にも見慣れて違和感のない姿に映っていると思うのだが、人医療でならまだしも動物医療では動物の処置時にいささか動きにくいと誰しもが考えていた。
 そんな折に、これまた全米テレビドラマの「ER」が大人気となり、スクラブ白衣と呼ばれるような、本来の外科手術のためのスクラブシャツを日常診療に使用できるように体裁を良くしたものが出始めた。スクラブシャツは、そのシャツ1枚だけを着用して手指を消毒し、消毒後に滅菌された手術ガウンを上に着るという、いわば無菌操作用の下着とでもいうような役割が本来なのだが、色の自由度や機能性から外科処置等で使用されるようになり、現在では非外科的な場面でも常時着用されるようになってきている。

 このスクラブ白衣、動物医療の現場にうってつけの機能性を備えているため、多くの米国の動物病院のユニフォームとなっている。日本でも採用する動物病院が徐々に増えてきて、ついに我が南大阪動物医療センターでも採用することとあいなった。



 お披露目は5月1日。様々なご意見を頂戴することになるかもしれず、いささかの緊張感はあるものの、獣医師、動物看護師ともども気持ちを新たに日常の診療に精進させていただく所存だ。この機能性重視の選択をどうかご理解いただきたい。

「今後とも縦じまのユニフォームともども、どうかよろしくお願い申し上げます。」

(文責:よしうち)






大阪市の南大阪動物医療センター

住所
大阪府大阪市平野区長吉長原3-5-7
営業時間
午前:9:00 〜12:00
午後:13:00〜15:00(水・土を除く)
午後:16:00〜19:00(水・土を除く)
  • ※祝祭日はその曜日に準じます。
  • ※年中無休です。
  • ※お電話、もしくは受付へ直接ご予約ください。
  • ※ご希望の日と時間帯、獣医師を指定して頂くことができます。
  • ※土・日・祝日に限り、予約料550円(税込)が別途必要となります。
  • ※12/31〜1/3につきましては、12/30までに事前の予約確認が必要となります。
定休日
年中無休
最寄駅
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・・・所在地・・・

〒547-0016
大阪府大阪市平野区長吉長原3-5-7
tel: 06-6708-4111
大阪メトロ谷町線出戸駅もしくは長原駅より徒歩8分