2010年08月01日 社会事象

「物質依存」の話

「物質依存」の話

 物質依存をステッドマン医学事典で引いてみた。「物質使用あるいは乱用により形成される行動学的、生理学的、認知的症状のパターン。通常、物質の効果への耐性と物質使用を中断したときに現れる離脱症状により示される。」とある。いきなり何の話をするのかと思われた向きもおありだろうが、最近、舘ひろしのCMで一躍注目を浴びている「お医者さんと禁煙しよう」の話なのだ。

 先の7月5日に大阪府立健康科学センター(ゲンキープ大阪)で健康診断を受けた。腹囲94cmのバリバリメタボな体で結果の良いわけはないのだが、さらに問診票には正直に喫煙歴やら本数やらを記載し、しかも高血圧の治療中という病歴まであるのだから、目立ったに違いない。最後の診察でお医者さんから「禁煙しようと思ったことないの?」と軽くジャブが入り、「ゲンキープは禁煙治療の老舗やからね。カウンセリングとかサポートとかいろいろ充実してるよ。帰りに予約取って帰らはったら。」と思い切りのストレートがカウンター気味に入ったのだから、ひとたまりもない。足にきて、フラフラっと予約を取って帰ってきてしまった。

 第1回目のカウンセリング予約日は21日。2週間ほどの空きがある。いつものようにスパスパとたばこをふかしながら、「ほんまにこれがやめれるんやろか」と予約してきたことを後悔しながら、試しに吸うのをがまんしてみても、そう思うだけで次の一服が欲しくなり、何分もこらえることができないのだから、情けない。
 せめて、どんな薬で何をするのかくらいは予習しておこうと、ファイザー製薬のHPを訪れる。一言で言うと、商品名:チャンピックスという禁煙の補助剤を用いて、ニコチン依存症の治療をしましょうということだった。CMで舘ひろしが禁煙に必要なのは「気合い」と言ってたしなめられるのだが、喫煙とはすなわちニコチン依存=薬物依存症なのだから、それ自体が病気。だから依存しない状態になるまで治療しましょうということ。単に嗜好の問題という捉え方は、今の時代には既にそぐわなくなっているのだ。

 そうこうしているうちに、第1回目のカウンセリングの日になった。もう後には引けない。受付カウンターの前で待っていると、担当の看護師さんが小走りに現れ、部屋へ案内してくれた。カウンセリングが始まるのかと思ったら、禁煙治療のための問診票に記載漏れがないか、設問を正しく理解して記載しているかを一つずつ確認したのち、血圧測定、身体測定、そして尿検査。その後にカウンセリングの部屋に通され、お医者さんと面談することになる。尿検査で尿中のニコチン濃度が測定されていて、「そんなヘビースモーカーやないねー。これやったら行けるよー。」「呼気中の一酸化炭素濃度も測っとくよ。」と、肺活量計を小さくしたような機械に息を吹き込むよう言われた。「これもそんな高ないねー。」と、微妙に上機嫌なのだ。そして、治療について、保険の適用について(適用には条件がある)話があり、ニコチンパッチにするか、チャンピックスにするか、という話になり、それぞれのメリット、デメリットの説明の後、選択することになる。自分の場合は24時間心電図で電極版のシールにひどくかぶれたことがあり、貼りものは避けたいという希望を述べたので、必然的に飲み薬のチャンピックスになった。
 チャンピックスの薬理作用、飲み方、副作用の説明があり、とくに吐き気を訴える人が多いこと。その時には、生姜ですっきりすることもあること。ひどければ相談してくださいとのことだった。


タバコを吸ったときのニコチンの作用

チャンピックスの2つの効果

 話の終わりには、「禁煙すると太りますよ。でも、禁煙中は食事制限しないでください。2つの制限は失敗のもと。禁煙できて安定すれば体重のことを考えましょう。」とのことだった。さらに、「禁煙中に我慢できずに吸ってしまっても気にしないでいいですから。」「1本吸ってしまったらすべてがダメという潔癖主義では続きませんよ。」と微妙なフォローが入って、カウンセリングは終った。

 ゲンキープの帰り道、薬局で処方箋を渡してチャンピックスを受け取った。最初の2週間はスターターキットで服用量を漸増していく。キットには禁煙手帳も付属していて、禁煙のためのツール満載という感じだ。本コラムに引用させていただいたシェーマもその禁煙手帳から抜粋させていただいた。


服用量の変更方法

 今この原稿を書いている時点で、9日目。昨日目覚めてからから2日間、煙草は1本も吸っていない。1mg 1日2回になった昨日から吐き気に悩まされている。つわりというのはきっとこんな感じかなと想像してしまうような気持ちの悪さなのだが、続くようならお医者さんに相談しなければ。お陰さまでかどうか、吐き気のせいでちっとも煙草を吸いたくないのだが、吐き気がおさまってくればどうなる事やらと思いつつ、続きは来月のコラムでの報告を待たれたい。吐き気とたばこのことが頭から離れず、今月のコラムが筆者の禁煙体験記になってしまったこと、心よりお詫び申し上げる次第。

(文責:よしうち)


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