2011年03月01日 人と動物の関係学

「人気犬種ランキング」の話

「人気犬種ランキング」の話

 ついこの間まで、「中居ちゃーん」、「慎吾くーん」と叫びながらスマップを追いかけていたかと思うと、今は「にのー」とか「まつじゅーん」と嵐を追いかけている。人気というのは分かるようでわからない不思議なものだ。

 先日、「アメリカン・ケンネル・クラブ(AKC)」は、昨年1年間にAKCに登録された犬種の集計データをもとに作成された「全米で人気の犬種ランキング」2010年版を発表した。
 資料によると、昨年のランキングで人気に少々陰りが見え始めたラブラドール・レトリーバーが、今年も無事首位を守り抜き、20年連続1位という驚異の記録を樹立。続く2位のジャーマン・シェパード・ドッグ、3位のヨークシャー・テリアも昨年同様の順位をキープし、上位3犬種が他の追従を許さない不動の人気ぶりを見せつけた。
 4位以降もさほど大きな順位の入れ替えはないが、ここ数年目立って人気が高まっているブルドッグが今年もひとつ順位をあげ、6位にランクイン。AKCのスポークスマン、リサ・ピーターソン氏も「1900年代初頭に流行したとき以来の大ブーム到来」と賞している。
 そのランキングのトップ10を以下に記載した。( )の数字は日本におけるランキング。





一方、「ジャパン・ケンネル・クラブ(JKC)」では、AKCほど大々的な発表こそないものの、同様のデータをHPで公開している。そのデータが以下だ。( )の数字はアメリカにおけるランキング。



 1999年以来上位3犬種は同じだが、不動の1位を守ってきたダックスフンドが2008年に3位のプードルと入れ替わり、ここ3年はプードルが1位を守っている。チワワが常に2位というのも興味深い。

 アメリカでは常に大型犬が断然人気の的なのだが、日本ではラブラドール・レトリーバーやゴールデン・レトリーバーがもてはやされた大型犬全盛の時代は、そう長くは続かなかった。
 さまざまなファクターが関係していることは想像に難くない。日本家屋の構造や大きさ、日本人の生活様式、大型犬と暮らすにはそれこそ敷居が高いということなのだろう。

 われわれ伴侶動物を診療する獣医師は、多かれ少なかれこの人気犬種の推移によって仕事内容に影響を受けてきた。大型犬が流行れば、股関節形成不全や肘関節の異常に警告を発し、しつけにも大きな配慮を払い、動物たちが見捨てられないように舵を取ってやらねばならない。かと思うとダックスが流行れば、椎間板ヘルニアの手術手技を磨き、発症からなるべく短期間で減圧を完了できる体制を整え、回復に向けた環境を作り上げて行かねばならない。犬種に起因する疾患が少なくないからだ。

 繁殖の問題や生体販売の問題、多くの犬を愛する人たちが新たな家族と出会うまでの道のりには依然として大きな問題が横たわっている。展示販売を助長するようなランキングの紹介などまったくもって不要に違いない。けれども、ランキングの結果には結果なりにその根拠があり、どんなに魅力的な犬種であっても一緒に暮らすには無理があるような犬種は多くの人たちに受け入れられることはない。無謀な犬種選びがもたらすものは、「人と動物の絆」の瓦解であり、それを避けるための貴重な資料の一つがランキングといえるだろう。

 日本ペットフード工業会の調べでは、2009年現在25%のご家庭で犬が飼育され、40%のご家庭が今後犬を飼いたいと考えているとのこと。ぜひその際の参考に、人気犬種のランキングをお忘れなく。自分は日本犬系の雑種が大好きなのだが、ついぞ最近は見かけることがない。どこかで出会うことはあるのだろうかとノスタルジックになってしまうのは年のせいなのだろうか、先週54歳になったのだった。

(文責:よしうち)






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