2013年02月01日
感染症
「ところ変われば」の話
初詣、節分、バレンタイン、ひな祭り、お盆、七五三、クリスマスなどなど、これらは、仏教、神道、キリスト教と異なる宗教に根差すものの、多くの日本人はその枠にとらわれずに親しんでいる。アルジェリアのテロ事件は悲惨な結末を迎えた。テロリズムは決して許されるものではないが、オスマン帝国が東ローマ帝国を滅亡させて以来、キリスト教とイスラム教の相克はいまだに続く宗教的な対立の構図なのだと、宗教に拘泥しない日本人の理解をはるかに超えた争いが存在することを改めて感じさせられた。
犠牲になられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
その国家や民族、文化圏、時代の違いによって様々な価値観に違いがあることは、アルジェリアの事件を引き合いに出すまでもないことだろう。宗教観、人生観、幸福観、世界観、健康観などなど、「ところ変われば、時代変われば、品変わる」は、多くの人たちの認識するところだ。
1月の末あたりから、間 寛平さんをメインキャラクターに新しいフィラリア予防薬のキャンペーンが始まるらしい。1度の注射で1年365日フィラリアの予防ができるという、手間いらずという意味では画期的な製剤だ。蚊の発生時期にとらわれずに任意のタイミングで毎年予防して行けば良い。ただし良い事づくめではない。ワクチンアレルギーの様なアナフィラキシーショックの可能性がゼロではない。また、フィラリアのみの予防にしかすぎず、ノミ、消化管内寄生虫、耳ダニには全く無効で、これらの定期駆除には別途の予防処置が必要となる。
日本では月に1度の投薬予防がフィラリアでは最もポピュラーで、消化管内寄生虫駆除薬やノミの駆除もしくは発育阻害薬との合剤も広く普及し、包括的な予防処置として受け入れられている側面もある。
メーカーの説明によると、この手間いらずのフィラリア予防薬はオーストラリアではフィラリア予防としては最もポピュラーなのだそうだ。一方、アメリカやヨーロッパでは20〜30%程度のシェアにとどまっているらしい。オーストラリアは有数の牧羊国で、条虫については人と動物の共通感染症として非常に厳しい措置を取っている。したがって動物の消化管内寄生虫の定期駆除がすっかり定着しており、そこにフィラリアの年に1度の予防が乗っかった格好で普及した可能性が高い。
さて、間 寛平さんのキャンペーンが始まって、多くの愛犬家の方々はどのように反応されるだろうか。兎にも角にも、予防の選択肢が増えることは悪いことではない。それぞれの製剤の特徴を知り、最も自分と愛犬に適した予防法を選択されるのが良いだろう。利便性にのみ気を取られ、予防本来のあるべき姿や愛犬と共に暮らす生活の質をスポイルすることだけは避けて頂きたいと心より願うばかりだ。
(文責:よしうち)
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