2014年02月01日 人と動物の関係学

「人と動物のふれあい活動」の話

「人と動物のふれあい活動」の話

先日、大阪市獣医師会とJAHAが協力して実施している「人と動物のふれあい活動(CAPP)」を見学してきました。JAHAのボランティアとその愛犬たち、動物の健康チェックをする大阪市獣医師会の獣医師が訪問したのは、大阪市内某所の特別養護老人ホームです。

 

 CAPPパートナーズの自己紹介から始まり、犬をなでる、遊びを交えた犬たちとの交流と続きます。動物と触れ合うことで高齢者の方々に笑顔がこぼれます。施設の生活で忘れがちな笑顔を取り戻す貴重な時間となりました。

 「高齢者施設の認知症患者に対する犬を用いた介在療法の評価(C.Traversら, Anthrozoos 28, 2013)」という論文があります。オーストラリアのブリスベンにある3か所の施設居住者が無作為に選ばれ調査されました。以下は論文の抜粋です。


認知症は徘徊、興奮、攻撃、無関心といった行動学的、精神学的症状を示し、居住型介護施設に入居する高齢者の86%に認知症がみられると報告されている。
犬介在グループでQOL-AD(アルツハイマー型認知症の生活の質を評価する指標)の改善がみられ、犬を用いた介在療法が、有意義な活動、刺激、心地よい社会的接触、身体的接触を通した安らぎを提供し、認知症患者の「満たされない要求」に対応するとの理論に合致する。本研究により高齢者施設の認知症患者に対する犬を用いた介在療法の効果を明らかにすることが出来た。


認知症に対する薬理学的なアプローチに比べ、犬を用いた介在療法の効果に関するエビデンスは限られており、本論文はCAPP活動に携わっておられる方々にとって貴重な一報といえるでしょう。



 施設入居者に限らず、高齢者の方々が健康を維持し、自立した社会生活を送るうえで、動物たちの存在が大きな力となることは疑いがありません。第3者の支援や介護を必要とせずに生活できる年齢を引き上げる努力こそ、福祉のあるべき姿のひとつではないでしょうか。高齢者の健康で生きがいのある生活の質を守るために、高齢者が動物飼育を望めば、それを支援すべきでしょう。

 今4匹のやんちゃな猫たちが走り回っているわが家でこの原稿を書きながら、猫たちのいない自分自身の老後の姿を思い描くことが出来ない自分に、高齢者施設の入居者の方々の姿を重ね、あれこれと物思いに沈む新年の昼下がりなのでした。

(文責:よしうち)



大阪市の南大阪動物医療センター

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大阪府大阪市平野区長吉長原3-5-7
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