2015年04月01日 消化器

「猫の便秘」の話(その3)

「猫の便秘」の話(その3)

 1991年にスタートした「トクホ」も、今年までに1144品目に表示許可が与えられ(2015年2月18日現在)、審査の在り方に物議をかもすこともありましたが、それなりに社会に受け入れられているように思います。「トクホ」とは特定保健用食品のことで、生理学的機能などに影響を与える保健機能成分を含む食品で、消費者庁長官の許可を得て特定の保健の用途に適する旨を表示できる食品のことです。

 特定保健用食品に含まれる保健機能を有する成分を『関与成分』といいます。特定保健用食品は有効性・安全性を消費者庁が個別に審査し、認可された食品は特定保健用食品として特保マーク(以下)と、特定の保健機能について表示することができます。



 1971年に発売されたカップヌードルは、桂三枝さんや明石家さんまさんなどの出世作となった毎日放送(MBS)製作の公開バラエティ番組「ヤングOh! Oh!」のスポンサーということもあって、当時中学生だった自分たちの中で爆発的な人気となりました。お湯を注ぐだけで食べられるという画期的なファストフードも、その手軽さゆえに、当時の親たちからは体に悪いのではないかという偏見を浴び、現在に至っても、カップヌードルは決して健康志向の食品とは受け止められていないように思います。

 そのカップヌードルにも「トクホ」があるのをご存知でしょうか。



「関与成分」はサイリウム、「おなかの調子を整える」という保健機能の表示が許可されています。サイリウムとは独特な特徴を持つ食物繊維源で、可溶性繊維を豊富に含んで水に溶け、その重量の10倍もの水分を吸収してゼリー状になり粘性を発揮します。また、大腸ではごく一部しか発酵されません。イランやインド原産のオオバコ種子や種皮に含まれています。



サイリウムヌードルには以下のような解説が添えられています。



 このサイリウムが、自分たちと関係の深い、キャットフードにも使用されているのです。ロイヤルカナン社の猫消化器サポート(可溶性繊維)ドライと猫腎臓サポートセレクションドライです。

 サイリウムをフードに配合することで期待される機能は以下の通りです。


【便秘】
●便を軟らかく保ちその排泄を促進するため、便秘を緩和する(Voderholzer 1997)( Freiche 2011)。

【下痢】
●腸管内粥状物の粘性を増し、糞便の進行を調節するため、下痢を緩和する(Bliss 2001)。

【体重管理】
●胃の内容物が小腸へ流入する時間を遅らせるため、満腹感の持続をもたらすとともに、適切なタンパク質の消化を助ける(Xu 2005)。

【糖尿病】
●消化管粘膜表面への糖の輸送を緩やかにするため、糖尿病のネコの食事管理に有用性が高いと考えられている(Nelson 2000)。

【毛玉のケア】
●消化管内の毛をからめとり、糞便中に排泄する。(Dann 2004)


 猫の深刻な便秘には、巨大結腸症(「便秘の話(ネコ編)」)や骨盤骨折の変形癒合(「猫の便秘の話(その2)」)などの原因があることは以前本欄に掲載した通りですが、そこまで深刻でなくとも、毎日の排便に苦労している猫たちは少なくありません。また高齢の猫に多い慢性腎不全に伴う石のようにカチカチの便やそれに伴う便秘も何とかしてあげたいと考える飼主の方は多いでしょう。

 不溶性繊維を増やしてもなかなか解決しなかった猫の便秘が、サイリウムの持つ独特の可溶性繊維としての機能によって、見事に解消するのです。大きめで、ちょうど良い具合の軟らかさで、テカっと艶のある、頬ずりしたくなるような見事なウンチがスルッと出てきたとき、思わず愛猫に「やったね!」とピースサインを出してしまうことでしょう。

(文責:よしうち)


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