2015年06月01日 人と動物の関係学

「オノマトペ」の話

「オノマトペ」の話

 卓球の試合で、福原愛ちゃんが点をいれるたびに、『サッー!』と叫ぶのを見たことがある方は多いでしょう。あれは、自分の気持ちを盛り上げるため?

 川が流れる様子を「サラサラ」とか、叩く音を「ドンドン、ボコボコ」という風に、ある様子・状態を音で表現することを「オノマトペ(擬態語・擬音語の総称)」といいます。日本語には、英語の5倍程度オノマトペの種類があるといわれ、相手に状況を伝えるのに大変有利な言語なのです。例えば、物を見るさまを、「フワッと見る」、「パッと見る」、「ジーッと見る」等、オノマトペで補足すると「みる」の細かなニュアンスが伝わります。

 最近では、このオノマトペを使うことで、身体の潜在能力を引き出す効果が期待できると考えられ、それを検証する研究が進んでいます。

 中でもスポーツにおけるオノマトペの効果は、「もう一つの筋肉」とまで言われ、以下に挙げるような効果があるのだそうです。


【スポーツオノマトペの効果】
1. パワー、スピードのアップ
2. リズム、タイミングのアジャスト
3. リラックス 4. モチベーションアップ
5. 威嚇・挑発


 さしずめ、福原愛ちゃんの『サッー!』は、2、4、5の効果があるのかもしれません。でもこれは、いわゆるアスリートと呼ばれる人に限った話ではなく、小学生のかけっこのタイムでも実証されています。普通の小学生が普通に50m走でタイムを計測し、次に、『ポン、ピュン、ポン、ピュン、・・・・』と声を発しながら練習し、再び走るとタイムが上がるのです。オノマトペを使うことで、しっかり地面をけり太ももを引き上げることができるからだというのです。他にも、逆上がりが苦手な子に、「鉄棒をしっかりと握り、おへそを鉄棒まで引きつけたら、くるりと回るんだよ」と説明してやらせてもさっぱりなのに、『ギュー、ピタ、クルン』ってやれば良いからね。さー『ギュー、ピタ、クルン』って言いながらやってみよう。と言ってやらせるとなぜだかできてしまうのです。垂直跳びもそうです。普通に跳ぶよりも『ガァーッ』と叫びながら跳ぶ方が高く跳べるのです。オノマトペには体に秘めた力を引き出す、スゴイ効果があるのです。

 このオノマトペを診察室で使ってみました。普段、診察室では、動物たちに注射を打つときに、顔や頭をなでて気をそらしてあげてくださいねと飼主の方にお願いして、注射を打つようにしています。けれども、飼い主の方が返って緊張して動物たちの頭をなでてしまい、結局、痛がってしまうことも少なくなかったのです。そこで、両手で顔を包み込むようにして左右の親指と人差し指でそれぞれの耳の付け根をつまんで『クニクニクニ、クニクニクニ』と言いながらさすってあげると痛がらないんですよと説明してみました。最初はなかなか『クニクニクニ、クニクニクニ』と声を出してはいただけないのですが、お手本をお見せしましょうと何のテレもなく『クニクニクニ、クニクニクニ』と言いながら耳の付け根をさすると動物たちもうっとりしてくれます。じゃあタッチ交代で注射を打ちますから『クニクニクニ、クニクニクニ』お願いしまーす、といって、いっしょに『クニクニクニ、クニクニクニ』と唱えながら注射を打つと、あら不思議、ケロッとした顔で今何かしたのという感じで終わってしまいました。注射の時にはリラックス効果のある『クニクニクニ、クニクニクニ』のオノマトペが効果的だったのです。

 

 診療中に効果のあるオノマトペをまだまだ開発できるかもしれません。あんなオノマトペ、こんなオノマトペが、動物たちとこういうことをするのに効果があったよというようなお話、きっと、動物と暮らしておられる多くの方々は経験しておられるに違いありません。聞かせていただければ嬉しいですね:^^)

(文責:よしうち)



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