2017年02月01日 猫学

「猫ちゃんお返事は?」の話

「猫ちゃんお返事は?」の話

  いつの間にか7匹になったわが家の猫たち。中でも茶トラのニノは、「ニノッ!ニノ君!」と呼ぶと、「ニャッ:^^」と返事をしてくれるのです。


  以前、NHKのサイエンスZEROで猫特集がありました。武蔵野大学の齋藤慈子さんはネコが他人の声と飼い主の声を区別できるかを調べました。20匹のネコで「馴化脱馴化法」という手法で確かめたところ、ネコが飼い主の声を聞き分けていることが分かりました。この実験で、ネコがそれぞれの声に対してどんな反応をしたのかを見てみると、多くのネコは頭を動かしたり耳を動かしただけ。つまり明確な返事はしませんでした。このことから、ネコは飼い主の声の区別はできているのに呼びかけに対して積極的に返事をしないことが分かったのです。

  ヒトの明確な返事にあたると思っていたネコの「鳴く」という行動は、返事ではないのかもしれません。ネコが鳴く「ニャー」は、猫同士のコミュニケーションには存在しないといわれています。人に何かを訴えるときにだけ「ニャー!」と鳴くのです。

  わが家のニノは、「ニノ、ミャーは?」と鳴き返しを期待して幾度もトレーニングした結果として「ニャッ:^^」と返事をしてくれるようになったのです。「お手」や「タッチ」のトレーニングと同じですよね。

  このようなネコの返事の仕方に対して、イヌは、他人の声であろうが飼い主の声であろうが、明瞭な声ではっきりと名前を呼ばれると必ず声の主を見るのです。それが診察中であっても、サッとこちらを見て、「獣医のおっちゃんなんやネン」という顔で、慌てて目線を外すのです。もちろん声の主が飼い主さんなら、しっかりとアイコンタクトを取って「注射はいやや!」と訴えかけるのです。

  ネコとイヌの進化の過程での人とのコミュニケーションの必要性の差が、現在の人とのコミュニケーションの取り方の差となって現れているのでしょう。けれども、狩猟のお供や、家の警護、倉庫を荒らすネズミの退治などの任務を失い、失業した家庭のワンちゃん、ネコちゃんたちが、コンパニオン業として磨かなければならないスキルは、ヒトとのコミュニケーション。ワンちゃんのアイコンタクトも、ニノの「ニャッ:^^」も、職務遂行のための血の滲むような努力の結果なのかもしれません。

  このようなワンちゃん、ネコちゃんの努力や、そもそもの人とのコミュニケーションの取り方の特性の結果として、彼らは、様々な良い影響をヒトにもたらしてくれています。

  ネコを飼うことが人の健康につながることを示す論文がアメリカで発表されています。ミネソタ大学の脳卒中研究所がネコの飼育と心血管疾患との関連性を調べたものです。35〜70歳でネコを飼ったことのある人2435人と、飼ったことのない人2000人を13年に渡って調べたところ驚くべき結果が出たのです。ネコを飼っている人は心筋梗塞などで亡くなる確率が40%も低いことが判明したのです。




  ワンちゃん、ネコちゃんたちと共に暮らす生き方が、どれほどの潤いを人の生活に与えてくれているのか。それを感じておられる人ほどワンちゃん、ネコちゃんとの生活を大切にしておられるように思います。でも、ネコちゃんのあの抱き心地、手触り、ゴーゴーという喉鳴り、理屈抜きで心地よいと感じることが、実はとても大切なのかもしれません。

(文責:よしうち)


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