2020年01月01日 猫学

「猫にシャンプーは必要か」の話

「猫にシャンプーは必要か」の話

先日、とある座談会で「猫のシャンプー」が話題になりました。わが家には8匹の猫が暮らしていますが、基本的にシャンプーすることはありません。

完全室内飼で体を汚すことはほとんどありませんし、どの子もいつもいい匂いがします。

以前に本コラムで「皮膚常在菌」の話を取り上げましたが、「健康な猫では、皮脂の分泌が犬よりずいぶん少ないため、室内環境で生活しているような場合には、ほとんどシャンプーをしないくらいがちょうど良いのかもしれません。」と軽く触れただけでした。皮膚科診療的な側面はそのコラムを参照いただきたいと思います。今回のコラムでは、一つ屋根の下で暮らす家族として「猫のシャンプー」のことをあれこれ考えてみたいと思います。

猫はそもそも単独で待ち伏せをして狩りをしていた動物ですので、獲物に気づかれることのないよう体臭が少ないという説があります。確かに、体臭を感じるのはコーニッシュレックスのように遺伝子に変異があり皮脂が多くなったごく一部の猫だけで、ほとんどの猫は皮脂も少なく、汗もかかず、干し草のようなにおいがしますよね。たまたま何かの匂いが付着したようなときには、これでもかという位、根気よく毛繕いをして舐め取ってしまいます。ココナツのような芳香のあるハンドクリームを手に塗った後で猫に触ってしまい、入念にハンドクリームを舐め取る猫の姿を見て、余計な仕事を作ってしまったと申し訳なくなることもあります。匂いという観点からは、シャンプーの必要性はなさそうで、反対に、香料を含んだシャンプーで体を洗うなどというのは、猫にとっては迷惑千万、暴挙そのもの、せめて無香料のシャンプーでといったところでしょうか。

また、猫はそもそも砂漠の動物だったので水に濡れたり浸かったりすることには、恐怖を感じるという説があります。猫を洗おうとしてお風呂場でシャワーをかけ、大変な目にあったという方も少なくないことでしょう。猫と乱闘になり人もずぶ濡れ、シャンプーどころではなくなってしまいます。でもこれ、水が苦手なのかシャワーの音に驚いたのかわかりません。桶に汲んだお湯につければそんなに嫌がらないとか、チュールを舐めさせながら洗うとか、いろんな技があるようです。一方で、蛇口から出る水に猫パンチをして遊ぶのが好きな猫もいて、台所が水浸しになることも。わが家の末息子の夢二は濡れた流しにべったりと伏せるのが大好きで、その後、おもむろに床の上で濡れた体の毛繕いを始めるのです。

どうも、水に濡れるのが好きとか嫌いとかいうよりも、濡れたままが耐えられないのかもしれません。確かに体温は奪われますし、湿ったままの毛は細菌が増殖してしまいます。かといって、ドライヤーが好きな猫はそれこそいないでしょうから、多くの猫にとってシャンプーは大きなストレスを感じる修行のようなものかもしれません。

それでもあえてシャンプーをしたくなるような場面がないわけではありません。おなかをこわしてお尻周りを汚してしまった時などは、「歩き回らないで!」と叫んで、洗面所で部分洗いをすることも。意外としょんぼり受け入れてくれるものですよね。

猫が不測の事態で体を汚してしまったら、汚れを取り除いてあげるのは、猫にとってもありがたいことに違いありません。その方法論が、濡れタオルでふき取ることでも、部分洗いでも、必要であれば全身シャンプーであっても、その時は猫も仕方ないと諦めてくれることが多いような気がします。どうしてもシャンプーを受け入れてくれない諦めの悪い子には、ナノソイコロイドの清拭液(ナノ・クリーナ保湿清拭液™)でドライシャンプーするのが、一番嫌がられずに効果的な方法だと思います。

体表に付着した「自分にはない匂い」「汚れ」「濡れ」を猫は一刻も早く取り除きたいと思っているのです。でも彼らにできることは入念な毛繕いだけです。必要な時に、最良の方法でそれを私たちが手伝ってあげることは、感謝されこそすれ、猫パンチを喰らういわれはないと思うのです。

「この親心、分かってほしいニャー!」

(文責 よしうち)

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