2022年07月01日 猫学栄養学

「猫の体脂肪率」の話

「猫の体脂肪率」の話

本コラムでは201602月に「肥満は炎症」の話を、202002月にBCSMCS」の話を書かせていただきました。

人も動物も、体脂肪を適正に維持することの大切さは同じです。人では体重計に体脂肪計が組み込まれたいわゆるヘルスメーターが一般的で、「タニタ」の名前はあまりにも有名です。裸になってタニタに乗っかれば、体重も体脂肪率も、最近では様々なパラメーターの計測値も順次表示されるのです。

 

それに対して、動物の体脂肪測定に相当するBCS評価は、体型を目で見て、脂肪の付き方を手で触れて判断する、いわゆる主観的な9段階評価で、ピピッとデジタルに表示されるものではないのです。

 

そもそも体脂肪率とは、体脂肪率(%)=体脂肪の重さ(kg)÷体重(kg)×100という意味ですから、体脂肪重量を簡単確実に計測する方法がない以上、様々な方法を駆使して推計するしか方法がありません。

 

人でも動物でも最も正確に計測できる方法は、DEXA法と呼ばれる二重エネルギーX線吸収法ですが、大きな設備が必要で、大病院や大きな研究施設にしかありません。それ以外には、人のキャリパー法や生体インピーダンス法などがありますが、上手く動物に応用することができていません。ちなみに、生体インピーダンス法とは微弱な電流を体に流し、電気抵抗の大きな脂肪の量を推計する方法で、タニタ研究所がその最先端を走っていますが、変動の大きい体内の水分量の影響を受けるため、測定時の条件をなるべく一定にするなどの注意が必要です。

 

やはり動物では、BCS評価しかないのでしょうか。BCSは学術的な裏付けもあり、たいへんに有用な評価法ですが、診察の折に獣医師が評価するといった専門家が身体検査の一環として利用するのには向いていますが、家庭での定期的なチェックにはあまり向いていないようです。BCSには、簡単で誰が行っても信頼性のある結果が数値で出るというような、タニタでいつも経験している測定モチベーションを維持する要素が少なく、実際、家庭での定期的なBCSの評価をお勧めしても、実践される方は皆無です。結局、目標体重を決め、体重測定をしておしまいということになるのです。

 

これでは、運動量が増え、筋肉が増えて体脂肪が減っていても、体重に変化が無ければ良い評価ができないことになってしまいます。

 

ペットフード会社のロイヤルカナンのHPに猫の体脂肪率測定法が掲載されています。リファレンスが記載されていませんでしたので、学術的な裏付けについては不明ですが、信頼度の高い会社のHPで公開されていますので、参考にしない手はありません。


 

9肋骨を見つけるのが少し難しいかもしれませんが、猫を真っ直ぐ四肢で立たせて後ろから13番→12番→11番と数えていけば、9番にたどり着きます。

引用した表が見にくいかもしれませんので、表をクリックすればカナンHPの表へ飛ぶようにしておきます。

自分が測定した猫では、かなり信憑性があるように感じました。

 

ともあれ、BCSでも体脂肪率でも、愛猫の体脂肪に注意を払っていただき、ポッチャリ可愛い猫ちゃんよりも、すっきりカッコいい猫ちゃんを目指していただければ何よりです。

 

太らない食事の仕方については、202203「猫の食事の与え方」の話で紹介しています。ぜひご参考になさってください^^

 

(文責 吉内)


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