2022年11月01日 社会事象

「マイクロチップ~これだけ知っておけば大丈夫」の話

「マイクロチップ~これだけ知っておけば大丈夫」の話

2019年に「動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律」が公布され、202261日より、施行されました。この改正の目玉はマイクロチップ。「義務化」の言葉が独り歩きして慌てた方も多かったのかもしれません。そこで、今回のコラムでは、動愛法改正で何が変わったのか? 愛犬・愛猫のマイクロチップ装着はどうすればよいのか? そもそもマイクロチップって何? といったお話をしようと思います。

 

1. マイクロチップとリーダー(読み取り器)

マイクロチップをまじまじと見たことのある方は意外と少ないかもしれません。うちの子にはペットショップで購入したときに入っているといわれているけど、今まで役に立ったこともないし、「ほんまに入ってるんやろか?」みたいな感覚の方も多いはず。

 

  マイクロチップの構造は写真のようになっており、生体適合ガラスで完全にシールされています。リーダーから発信される電波が電磁誘導によってアンテナ(コイル)に電力を発生させ、ICチップが起動して15桁の数字データの電波を返す仕組みです。電源は不要ですので、半永久的な使用が可能です。リーダーには写真のようなものだけでなく様々な形のものがありますが、ISO規格に準拠しており、通信方式は世界共通です。

 

2.マイクロチップに入っている情報とその利用法

  マイクロチップが返してくれた15桁の数字データには次のような意味があります。

  

  この数字は、世界でたった一つの番号で、同じ番号のものはありません。その番号を環境省のデータベースに登録し、必要な情報と紐づけすれば、利用が可能となります。

  主な登録内容は以下の通りです。

  

 

3.改正された動愛法でかわったこと

      ◆ペットショップやブリーダーなど販売業者へのマイクロチップ装着、情報登録の義務化

    ◆マイクロチップを装着している犬猫を譲り受けた飼い主に対する登録情報変更の義務化

  すでに飼育している犬猫に対しては、マイクロチップ装着は努力義務で推奨されるにとどまる

 

4.マイクロチップの装着は動物病院で

   マイクロチップは動物病院で装着できます。動物病院では装着証明書を発行しますので、ご自身で環境省のデータベースにご登録ください。

      

   装着といっても少し太めの注射をするというイメージで一瞬で終わります。

オンライン申請手数料は300円、紙申請は1,000円。動物病院でのマイクロチップ装着の費用は4,000円〜10,000円ほどで、ちなみに当院では5,000円+税です。

   

5.ペットショップから迎え入れた場合はすでに装着済み(20226月以降)

  ペットショップで受け取った登録情報をご自身の情報に変更する義務があります。前出のQRコードでサイトにアクセスしてください。

  

≪注意事項≫ 20226月以前からマイクロチップを装着していた場合には、環境省のデータベースではなく民間のAIPOなどのデータベースに登録されていますので、改めて環境省のデータベースにも登録する必要があります。

  現在、AIPOと環境省のデータベースが併存する状況となっているため、両者で簡略化についての協議が行われています。

 

6.狂犬病予防法に基づく犬の登録の特例

  従前より狂犬病予防法に基づいて犬の登録が条例で義務付けられ、鑑札が交付されているのはご存じのとおりと思います。これについて、環境省は20226月よりマイクロチップの登録手続きにより市町村への登録申請と鑑札の装着を不要とする特例を改正動愛法に規定しています。

 

  これには、市町村側の対応が必要となることから、皆様お住いの市町村ごとに対応の差が出ています。環境省のデータベースに情報が登録されれば、自動的に各市町村にそのデータを転送するわけですが、市町村はそのデータを受け取り、犬の登録として処理する必要があるからです。(お住いの市町村の対応の確認をお願いします。)

 

  当院のある大阪市は2022111日より犬の登録の特例に対応します。111日以降に環境省のデータベースにマイクロチップを登録された方は、大阪市に犬の登録をする必要はありません。ただし202261日〜1031日の間に環境省のデータベースに登録した方は、データの転送が行われていませんので、大阪市の健康福祉センターまでお問い合わせください。

 

  すでに鑑札をお持ちの方は、生涯その登録は有効ですのでご安心を。ただし、鑑札をお持ちで新たにマイクロチップを装着し環境省のデータベースに登録した場合、環境省への登録が最終登録となり、鑑札の返還が必要になります。ちょっとややこしく煩雑ですね。


 

  いかがでしたか。ややこしいこともありますが、マイクロチップを装着した迷子犬猫たちと飼主の方との再会率は高いことも事実です。大規模災害を想定すれば、うちの子たちを絶対に迷子にしないと言い切れるものでもありません。

     


ともあれ、デジタル化の推進には一時的な混乱はつきものですが、そうやって世の中は変わっていくのですね。スマホを家に忘れてコンビニでの支払いに困ったというような経験をするような時代です。いっそ人にもマイクロチップを入れてマイナカードの代わりにしてくれんかなと思うことがあるのは自分だけではないような気がします ;^^)

 

(文責 吉内)


記事の執筆者

南大阪動物医療センター 院長 吉内 龍策
山口大学農学部獣医学科卒業。1980年に当施設の前身となる「吉内動物病院」を開院。1992年に設備を拡張新設し、「南大阪動物医療センター」と改称する。

(公社)日本動物病院協会 副会長
(公社)大阪市獣医師会 監事

大阪市の南大阪動物医療センター

住所
大阪府大阪市平野区長吉長原3-5-7
営業時間
午前:9:00 〜12:00
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