2008年05月01日
人と動物の関係学
「絆を守るために」
先日、親交の深かった友人が3週間の闘病の末に亡くなりました。年齢も2つしか違わず、職業も同じ。余りにも唐突な出来事に、大きな衝撃を受けました。癌の告知、闘病、すべてのことが自分自身のことのように思え、彼がこの世を去った時に、自分の中の何かも同時にはじけたような、大きな虚脱感とも喪失感ともつかぬ空しさに襲われました。かけがえのない友人を失ったことで改めて知る「絆」の存在。期せずして彼が癌の告知を受けた日に脱稿した毎日新聞のコラムを転載いたします(一部改編)。自分自身の中で、生涯忘れることのできない原稿となってしまいました。ただただ彼が安らかに眠ってくれることを祈ります。(合掌)
哺乳動物の多くで代謝速度を基準に考えれば寿命はどの動物でもほぼ一定であることが知られています。端的にいうと心臓が15億回拍動すれば寿命を迎えるという意味合いです。けれど一般に寿命といえば、人口学的な平均寿命のことになるのかもしれません。この平均寿命とは単純な算術的平均ではなく、ゼロ歳児が年齢別死亡率に従って死亡していった場合に平均何年生存するか、つまりゼロ歳平均余命のことを指します。世界一の長寿国は日本で、男79.0歳、女85.81歳(‘06年)です。
動物ではほとんど統計らしい統計はなかったのですが、2003年7月までの1年間を東京農工大の林谷秀樹准教授が全国調査しておられ、犬の平均寿命は11.9歳で性差なく、品種別では純血種が11.3歳、雑種が13.3歳と雑種の方が長生きでした。一方、猫は9.9歳で、性差があり、オス8.7歳に対し、メスは11.1歳。品種別では純血種11.4歳、雑種9.6歳。これらは家庭で人と共に暮らし病院にかかったことのある動物たちの統計です。
短編詩「犬の十戒」が静かなブームを呼んでいます。私は10年くらいしか生きられません。だからできるだけ私と一緒にいてください。という約束には胸を打たれます。犬や猫は人よりもうんと速く生きています。例えば子供が小学校にあがるときに飼い始めた子犬が、あっという間にその子の歳を追い越し、高校を卒業する頃には一生を終えることになります。動物たちは身をもって、命に限りがあることを、かけがえのない愛情があることを、教えてくれているに違いありません。人と動物が互いにその絆の存在に気付いたときに、人も動物も優しくそして幸福になれます。そして、その絆を守ることが自分たちの仕事なのだと考えています。動物とともに暮らす人々が、そして動物たちが、いつまでも幸福な日々を送ることができるように、心より願っているのです。
(文責:よしうち)
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